Dさんのイライラが少しずつ収まってきたのは良かったのですが、朝から調子がイマイチだったK・Iさん(以後Kさん)が私とDさんのやり取りを見ているうちに目が三角になっていることに気がつきました。これはまずいとKさんに声かけをして、室内に誘導すると、突然に猛然と私に向かって拳を振り上げ攻撃してきました。あぁ、やっぱり影響受けちゃったよ、と内心思いながら、言葉優しく「おいおい、急にどうしたの?」と軽くいなしたのですが収まらず、さらに突進力をアップさせて攻撃されたので、流石に私も気合いを入れて対処せざるを得ませんでした。場所が食堂でまだ食事中のメンバーや職員もいたので、力づくで床に組み伏せ、語気を強めて「ちょっと更衣室に来い!」と言ってベルトを掴み引きずって更衣室に連れていきました。
更衣室で一括した後Kさんの興奮が収まるのを少し待って、気持ちを切り替えてもらうために普段の口調で「トイレはいったの?」というと「はい、行ってます」との応え。「午後のナーシング頑張ってね!」と明るく言うと「はい、頑張ります」で一件落着しました。(本当は気持ちにまだしこりが残っていたようで、新館に行った際に扉を荒々しく閉めて職員に注意されたと聞きました。笑)
ここまでの流れはメンバー対処としては問題ないようですが、この一連の流れの中で私がKさんを力で押さえ込む際に力が入り過ぎたためかKさんの腕に私の掴んだ痕が残ってしまったようでした。ようでした、というのは私は怪我は無いものと思い確認しなかったからなのですが、後で清掃担当職員から「Kさんが腕を見ながらさすっていましたが、痕がついているようなので保護者に連絡した方が良いと思います」と言われ、それは申し訳ないことをしたと夕方に連絡を取り謝罪しました。
おそらく、保護者の前でそこまで荒れることは殆ど無いでしょう。彼の行動は人との関係性の中で現れるので、先の一連の元気工房での行動は、何でこんなになったの?と不審に思われて当然のことです。手の跡がつくまで強く握ったことを詫びながら、我ながら情け無いと反省しました。いえ、力ずくで彼の動きを抑え込んだことではありません。初動段階で気持ちの切り替えを図れなかったのか?と反省したのです。相手が必死の力を出している時はこちらも必死で防御しなければ怪我をしてしまいます。相手を傷つけることも、自分が傷つくことも回避しなければなりません。それには、そうなる前の声かけや一連の対応のタイミングの是非が問われます。
まだまだKさんのこと分かってないなぁ、という反省しきりでした。爆発させない上手いガス抜きをしてあげるためには、そのメンバーのことを理解していないとできません。普段から直接みているメンバーでないとどうしても対応しきれない部分も出てきますが、個別支援計画を読み返したり、終礼などの話し合いを元に、一人一人のメンバー像をもっと鮮明にしていくようにしなければ、と心に誓いました。まだまだだな私。