2017年07月30日

Hさんの挑戦

 今のHさんの姿を入所当初は誰が予想したでしょうか。

それくらい現在のHさんは変わりました。実習に来た時の

Hさんは特定の人としかコミュニケーションをとることができず、

絶えずイライラし、人や物にあたっていました。これまで元気工房では

受け入れたことがないタイプの人で、職員間にも多少の不安があった

ことは事実です。執拗な確認作業を繰り返し、自分の思った受け答えに

ならないと感情的になり、手を出してくることはしょっちゅうでした。

幸いにもその対象は私に限られていました。とはいえ、彼の攻撃を

防御しながら、その場を収めるのは大変でした。私にとってはまさに

『バトル』そのもので、腕にはあざが絶えなかったものです。

 そんなHさんが徐々に変わり始めたのは、元気工房に自分を攻撃する

人はいないと理解し、少しづつコミュニケーションを取る相手が

広がりを持ち始めたからでした。もちろんそれでもHさんのイライラが

完全に矛を収めたわけではなく、頻度こそ減れ、私とは時折バトルが

繰り返されました。(バトルと書きますが、私から攻撃を加えたことは

もちろんありません。防御のみのバトルです。)ところが、昨年の

夏に『実習に行って将来は就職を目指したい。』という目標を持つように

なってから、Hさんの内面の変化が見て取れるほど大きくなってきました。

 目標を持つって本当に大事で、素晴らしいことだとHさんを見て思います。

内職作業だけをしてきたHさんでしたが、2週間ほど前からナーシングの

清掃に終日入るようになりました。2年前ならどの職員も『無理!無理!』

と思っていたことです。

『ナーシングの清掃をまずは頑張って、お給料を上げたい。その次には

就職を目指したい。』というのが現在Hさんを支える想いです。

 自分の人生に一つの目標を見出し、そこに心のベクトルを向けたとき

Hさんの心からイライラが流し出されていって、心が穏やかさに満ちてくる

ようになった様がはっきりわかりました。彼のこうした変化の起点は

特別支援学校でHさんを担当し、受け止め、長期にわたる指導計画を

もって彼を見守ったG先生にあります。この先生との出会いがなかったなら

今の彼はないでしょう。人との出会いの大切さ、その妙を見る思いがします。

そしてそれはまた、Hさんだけに限ったことではないはずです。

 明日は元気工房の給料日です。清掃に入ることで給料の違いを見るには

まだ少々日数が足りませんが、Hさんが給料袋を受け取る時に、大きな

満足感も一緒に手にするであろうと想像に難くありません。

 Hさん見守る中で、私はメンバー支援の仕事の醍醐味と感謝を

覚えました。そして、彼だけでなく、私もチャレンジャーでなければ

いけないなと自身を鼓舞する今日この頃です。

 
posted by 施設長 at 07:50| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2017年07月29日

募集中です!

 元気工房では

 ただいま女性正職員を募集中です。

 ご興味のある方、応募希望される方は

 お近くのハローワークまでお問い合わせください。
posted by 施設長 at 17:23| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

驚愕

 上尾市の障害者施設で起きた死亡事故の詳細を

追っていて驚くべき事実を知りました。この施設の

常勤職員が一人しかいなかったということです。

もちろん指定基準に違反しているわけではありません。

 常勤一名という事実を知ったとき、私はすぐさま

事業者ハンドブックの指定基準編を開きました。

『そんなにゆるかったっけ?』と思ったからです。

しかし、常勤は1名で良いのですね!これに改めて

驚きました。この基準でよい支援ができたらそれは相当

素晴らしい理念・強いリーダーシップを持つリーダーが

いてのことでしょう。しかし、自律的な職員集団がそこに

醸成されるかといえば、一言『無理じゃない?』と思います。

しかも、事故の起きた施設は若い施設で、3年前にスタートし

それでいてメンバー数は30名を超えているのです。毎年

迎える人数が、私からすると『異様』としか表現できません。

理由はいくらでもつけられるでしょう。

『特別支援学校卒業後の行き場を確保する。』

『健全な施設運営・経営をしなければならない。』等々

メンバーたちはどこにいるのでしょう?メンバーたちはどう

感じていたのでしょう。メンバーが本当に主役の座について

いたのでしょうか?分かりません。

 結論からすれば、起こるべくして起こった事故であり、

これを他山の石として自らを省みないと、似たような事故が

起きる可能性がどこの施設でもあるということです。

 ハインリッヒの法則から推察するに、事故施設では、これまでも

同様のヒヤリを繰り返していたと思われます。でも大事故には至らず

改善案も検討されたことはなかったでしょう。なにせ、2~3年で

30名超を迎えているのですから、そんな余裕はなかったはずです。

 事故の起こった施設では、残るメンバーたちのために、

いえ何よりも亡くなった方の死を無駄にしないために、これから

メンバー主体の支援が展開されるよう祈るばかりです。

※ハインリッヒの法則・・・労働災害における経験則の一つで、
 一つの重大な事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には
 300の異常が存在するというもの。つまり【重大事故】という氷山の
 下には多くの小事故・過失があるというもの。
posted by 施設長 at 07:19| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする